cinema-days 映画な日々

『誰も守ってくれない』

2009/02/11
【邦画】[タ行] 15
佐藤浩市 松田龍平 劇場鑑賞
誰も守ってくれない スタンダード・エディション [DVD]
誰も守ってくれない
殺人犯の妹となった少女と
彼女を守る刑事の逃避行が始まる。。。
 
個人評価:★★★ (3.0P)】 (劇場鑑賞)

見ないと「シャブ漬けにする」?
「背筋が凍る」なぁ。

第32回モントリオール世界映画祭
ワールド・コンペティション部門最優秀脚本賞受賞
佐藤浩市と松田龍平の刑事コンビが実に良い。
このコンビだけで、刑事ものが2~3本出来そうだ。
佐藤は昨年の『ザ・マジックアワー』以降絶好調!!
主役でなくても、印象に残る役柄が多い。
 ・『感染列島』の救命救急医(友情出演)
 ・TVドラマ『警官の血 第二夜』のマル暴刑事
 ・『少年メリケンサック』(2/14公開)の中年パンクロッカー
対する松田も、先頃、結婚。待機中の作品も多い。
 ・ 『劔岳 点の記』『蟹工船』『ハゲタカ

勝浦刑事をサポートする精神科医師・令子役木村佳乃の登場は
唐突に見えるが、公開日当日にTV放映された連動企画ドラマ
誰も守れない』を通して見ると納得がいく仕掛けだ。
木村も『警官の血 第一夜』に出演。江口洋介の妻を演じていたが、
 ・新作のドラマW 『兄帰る』(2/14放映)
 ・岸谷五朗初監督作品『キラー・ヴァージンロード』 に期待大だ!!

独自の臭覚で勝浦を追う新聞記者梅本役に佐々木蔵之介
「ご遺族は加害者の家族にも罪を償って欲しいと思ってる。
                     死んで償えと思ってる。」

点数稼ぎの上司坂本係長役に佐野史郎
加害者の妹沙織から事情聴取する刑事稲垣役に津田寛治

そして、3年前の因縁の事件
勝浦のトラウマとなり、令子の診療を受ける原因
梅本の記憶に残っていたヤク中の殺傷事件 ・・・ で
子供を亡くしたペンション経営の本庄夫妻役
柳葉敏郎&石田ゆり子夫妻が実に良い。
佐藤も柳葉も管理人と同世代で、日本映画界を背負って立つ
(ちょっと大げさか絵文字)活躍が嬉しい。

志田未来 14才・15才・16才の未来  志田未来写真集
志田未来 14才・15才・16才の未来
志田未来写真集


加害者の妹沙織役志田未来
出演作品: 『母べえ

沙織の恋人だがネットに情報を売る園部役冨浦智嗣
「ネットじゃ一番情報を持っている奴がカリスマ」

《 この映画が教えてくれたもの 》
□ 加害者の家族の置かれる立場・社会的制裁
 ・強制的な離婚/名前の改姓/就学義務免除 etc → 自殺まで
□ 被害者の癒えない悲しみ・不条理な犯行への怒り
□ プライバシーを無視した過剰な報道・ネットへの情報流出

《 救い 》
事件が収束し、沙織が車から降りて、勝浦にプレゼントを渡す場面に
古いが薬師丸ひろ子が高倉健に走り寄った『野性の証明』を思い出した。
「これからは君が家族を守るんだ」
本庄夫妻にも新しい生命の兆しが...
旭山動物園物語』じゃないけれど、「明けない夜はない。止まない雨もない。」

この映画の4ヶ月前を描いた連動ドラマ 『誰も守れない』 の感想

やったぁ~!!来年の米アカデミー賞外国語映画賞の日本代表に決定
(H21.9.9.映画製作者連盟発表)

君塚良一監督:「日本が抱えるさまざまな問題を描いた映画を、
アメリカの人に見てもらえると願っています」(授賞式:H22.3.7.)

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同カテゴリ  【邦画】[タ行]

コメント歓迎!! 15

まだ、コメントはございません。

Hiro

>ミチさん

TB有難うございました。
ドキュメンタリータッチの描写は臨場感がありました。
加害者家族保護の必要性をストーリーの進行中に
盛り込む手腕はさすが脚本家監督の面目躍如と言ったところ。

2009/02/11 (Wed) 22:42

Hiro

>INDY500さん

TB有難うございました。
喉元過ぎれば...風の便りも35日...
マスコミ報道も新たな事件が起これば、スクープ求めて
矛先を変えるんでしょうけど、
離婚や名前の改姓まで必要なの?と思ってしまうが、
社会生活の維持、近所・世間一般の目が厳しい。
まぁ、それが社会的制裁の最たるものなのだから
しょうがないと言ってしまえば、それまでだが。

2009/02/11 (Wed) 22:56

Hiro

>たいむさん

TB有難うございました。
被害者・加害者双方の立場を知るという意味でも、
セットでの鑑賞がお薦めですね。
情報の伝播については、その効力に驚かされますが、
まだまだ、ネット情報に触れていない人も存在する訳で
その落差によって、処遇の差が生じる可能性がある事も
怖いですね。

2009/02/11 (Wed) 23:25

Hiro

>cyazさん

TB有難うございました。
佐藤浩市・柳葉敏郎世代は優作・龍平の中間に当たり、
芸歴が長い佐藤は別にしても、男優ならば少なからず
優作の影響を受けているんじゃないかな。
管理人は今回の浩市&龍平コンビから
萩原健一&水谷豊の傷天コンビを思い出しました。

2009/02/11 (Wed) 23:42

Hiro

>あるきりおんさん

TB有難うございました。
これまで被害者サイドばかりに眼を向けていたのが、
加害者家族への影響も具体的に提示され参考になった。

2009/02/11 (Wed) 23:49

Hiro

>b-scaleさん

TB有難うございました。
TV局が映画制作に参加するようになって、
最近、連動企画がちょくちょく見られる様になりました。
そんな中で、本作品はTV版で被害者側・映画版で加害者側を
描き、時系列的にもワンセットの構成として楽しめる
仕掛けとなっていました。

2009/02/11 (Wed) 23:57

Hiro

>KLYさん

TB有難うございました。
記者佐々木蔵之介の「死んで償えと思ってる」という糾弾,
被害者柳葉敏郎の「子供は戻ってこない」との悲痛な叫び。
この2つが特に耳に残りました。

2009/02/12 (Thu) 00:20

KLY

他人事ではなく

Hiroさん
TB&コメありがとうございました。

この作品を観て感じたのは、自分もマスコミ業界に働くものとしての自省の念でした。知る権利という大義名分、報道の自由という大義名分を振りかざし、知らず知らずのうちに他者を傷つけてきてはいなかっただろうか。そんな考えが頭を過ぎりました。

2009/02/12 (Thu) 01:02

Hiro

>yachikoさん

TB有難うございました。
加害者家族の保護の手段として、離婚・改姓などが
うんもすもなく、手際良く展開していくのには、
債務逃れの段取りに似ていて、本人に非が無い分、
理不尽に映りましたね。

2009/02/13 (Fri) 01:26

Hiro

>eigaconsultantさん

TB有難うございました。
内容は暗めですが、加害者家族の保護を取り扱った
話題性やTVとの連動企画等のプロモートの功もあり
評判は言いようですね。

2009/02/13 (Fri) 01:31

Hiro

>きららさん

TB有難うございました。
加害者のお母さんの自殺、一時的にせよ、直後はそこまでも
追い詰められる事もあるのでしょうね。
もし、それが冤罪だったら取り返しがつきません。

2009/02/13 (Fri) 01:37

Hiro

>はくじさん

TB有難うございました。
被害者への償いの仕方も難しいですね。
勝浦みたいに、良かれと思って、毎年弔問に
訪れても、実は迷惑がられている事だってある...

2009/02/13 (Fri) 01:42

Hiro

>ケントさん

TB有難うございました。
君塚良一、警察関連ものでは監督業でも及第点。

2009/02/14 (Sat) 00:01

Hiro

>りおさん

TB有難うございました。
冒頭部分はTV版と映画版の繋がり部分としても
重要な役割を果たしていました。

2009/02/14 (Sat) 00:05

Hiro

>masakoさん

TB有難うございました。
勝浦が加害者の妹を、過去の事件の被害者家族である
本庄のペンションに連れて行く無神経さが判らない。
毎年、焼香に行っているから、許されるだろうという
甘えが、心の片隅に有ったのではないか...

加害者の家族を保護する為に、ホテルを利用した場合、
その宿泊費は警察持ち(税金払い)??

2009/02/17 (Tue) 22:24

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