cinema-days 映画な日々

山田辰夫 死去

2009/07/28
山田辰夫
山田辰夫
俳優 山田辰夫が7/26、胃癌の為、死去。享年53歳。(合掌)
おくりびと』では妻を亡くした農夫を演じていたが、
やつれて見えたのは、役作りの為だけではなかったようだ。

同作品では、30年以上も会っていなかった息子(本木雅弘)に
死に化粧を施して貰う役を演じた峰岸徹が昨年10月亡くなっている。

遺作となったのは、10/24公開予定の渡辺謙主演『沈まぬ太陽』
という事なので、若過ぎる死ではあるが、生涯、”映画人”を全うできた
という点では本望ではなかったのかとも思う。。。

転移が分かった後での仕事だったが、(4月下旬、撮影は1日のみ)
「依頼された仕事はやり通したい」と撮影に臨んだ。
6/26に西多摩郡のホスピスに入院した時点で、余命1-2週間と宣告されていたという。

山田辰夫は、晩年にはフジテレビ系列『はるちゃん』シリーズの支配人役など
丸い役柄を演じるようになっていたが、やっぱりデビュー当時からの
アウトサイダー的な役柄の印象が圧倒的に強い。

名前で彼の作品を見たのは村川透監督作品『凶弾』(’88)だったように思う。
共演陣が石原良純,古尾谷雅人,秋吉久美子,高樹澪と今聞いても
見たくなるような取り合わせの作品だった。

『凶弾』チラシ

滝田洋二郎監督 『壬生義士伝』『陰陽師2』『おくりびと』
「大切な友人でもあり、かけがえのない俳優を亡くし、本当に悔しい。
もっともっと山田辰夫を撮りたかった。一緒に映画を撮れた事が、
自分の誇りです。ありがとう。」

若松節朗監督 『沈まぬ太陽』
「とても人間の機微を表現できる素晴らしいバイプレーヤーで、
円熟味を増したこれからが彼の第2のスタートだったので、
かけがえのない男を失ってとてもつらいです。
『沈まぬ太陽』が遺作になってしまいましたが、
彼が魂を込めて演じた姿を、映画を通して見て頂ければと思います。」

長渕剛 散文詩を緊急寄稿(スポーツ報知)
ダチ山田辰夫へおくる 長渕剛
辰ちゃん 
そりゃないよ。
なんで? 
なんで言ってくれなかったんだ! 
あれだけ
またいっしょに
映画やろう!ドラマやろうって
約束したじゃねえか! 鋭利な刃物を忍ばせ、
機関銃の言葉を放射し、
俺に、
そして
日本映画界に
強烈な個をたたきつけてきやがる
凄え俳優だった。
日本映画界からまた本物が消えた。
怒りと悲しみがこみあげて来る。
これだけ役者という職業を命かけて愛した男を俺は他に見た事がない。
たまらなく俺は辰が好きだった。
大っ嫌いな卑怯者がその昔、いて、
俺を守ろうと、
からだごと、そいつに突進して、
血まみれになったほど、
奴の魂は、限りなく優しかった。
男気に満ちあふれ、
笑顔がいつも、悲しく…、かわいかった。
酒をくみかわし、
いつも映画の話をした。
「ねえ! 剛、やんないの? ねえ、やんねえの映画?」
「…うーん」
「やろうよ! 俺あんたとしばいすんの大好きなんだよ。ねえ、やろうぜ」
いつも飲むと俺にからんできやがった。
もっと、俺、死ぬ気で原案を考え、
いっしょにやればよかった。
よれた皮ジャンひっかけてひょっこり俺ん家に辰はやってくる。
「よ!酒飲みに来たよ」って。
けど、
辰、お前、今回ばかりは何も俺に言わなかったな!
悔しいな、辰!
なぜだ?
あの時、俺たちは体制にまかれず、
いい本物のしばいを作ろうと
戦ったじゃないか。
また、俺
ひとりぼっちかよ。辰ちゃんよ!!
『山田辰夫』
生涯不良・生涯青春を貫いた本物のアウトローだった。
信じたくない。
あの時、約束したよな!
「今度、また映画やる時はな、辰!!
お前は狂気の役だぜ!」辰はニッコリ笑って
「うん…俺、好き。そういうの…好き。あんたとならやれる」
信じたくない。
辰が死んだ!?
ふざけんな!!
なぜ俺から大切なものを神様の野郎はうばって行くんだ!?
悲しくて悲しくて…しかも、
辰のような男がいなきゃつまんねえ。
けど…想像以上に悲しい。
絶望以上に悲しい。なぜなら、二度とおまえと逢えないからだ。
辰!天国へ行けよ!
俺もそのうち行くからよ。
だけど、ニコッといつものように笑って、
お前、すぐ、手まねきすんじゃねえぞ。
愛うしい山田辰夫様。
いや、
辰ちゃん。しっかり眠ってな。
合掌。今までありがとう。お前に逢えてしあわせだった。

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Hiro

お別れ会

9/12 東京・西新宿 京王プラザホテル 300人参加
俳優:中井貴一 岸部一徳 吉川晃司
監督:滝田洋二郎 若松節朗 阪本順治

滝田洋二郎監督:
「これからも、ずっとずっと組みたかった俳優。
 新しい作品を作りたかった。悔しいですね、
 同い年の友人を送るのは複雑です。辰夫が
 いとおしくてたまりません」
若松節朗監督:
「“オレいい声してる。大丈夫だ”と何度もうなずいていた。
 主演の渡辺謙さんと同等の演技でした」
中井貴一:
「役者道を貫いた方でした」

2009/09/14 (Mon) 00:43

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