『星守る犬』

北海道のキャンプ場近くの山中で見付かった放置車両
ワゴン車の中からは､死後半年55-60歳の男性白骨死体と
亡くなって1ケ月程の犬の遺体

　キャンプ場は路上生活者にとっては穴場かと思われたが
　シーズンオフは厳しいですね｡
　発見されたのは､ハッピーが野犬と見られ近辺を捜索（狩り）されたからか

ワゴン車はナンバープレートが外され､製造番号も削り取られ､
免許証等身元が判るものは全く無かった...さては犯罪者絡みか!?

　おとうさん（西田敏行）は別れた妻（岸本加世子）娘に
　迷惑を掛けたくなかったんですね。
　中年溶接作業員がリストラされ､心臓病で再就職も儘ならず
　それまで父親らしい事をしてこなかったツケで
　家では厄介者扱い､挙句に妻から三行半を衝き付けられる


6年前に飼い犬クロを亡くした名寄市福祉課職員奥津（玉山鉄二）が
残された領収書等3枚を手掛かりに有給休暇を取って祖父（藤竜也）から
譲り受けた愛車ワーゲンビートルに乗って身元確認の旅に出る

　本オタクの京介
　「どんな人生も報告書にまとめてしまえば図書館に並ぶ本と同じ」
　藤爺の名言
　「星守る犬」とは､犬が空を見上げているさまを例えて
　「手の届かないモノを追い続ける」という意味なんです

東京から1ケ月かけて北上
□ 東京 … 旭川からオーディションの為､上京して来た川村有希（川島海荷）を拾う
　リサイクルショップの買取証の氏名住所は出版社の創業者の名前を転記したものだった!!
□ 東京近郊 … ハッピーが河原で拾った抽選券で福引｡見事､無料宿泊券をGetするが
　　誘おうとした妻からは離婚を切り出される
　10年前に旦那を亡くした旅館の女将（余貴美子）
　おとうさんはアジ釣り大会の団体客の宴席に闖入､ハッピーは羽毛を飛ばす
□ 福島県いわき … 7/8 コンビニ SHOP永崎店長（中村獅堂）
　おとうさんは虐待を受け腹を空かせた少年にアンパンを買ってやり
　キャッチボールに興じるが...翌朝､有り金をそっくり盗まれ呆然
　店長さんも友人に金を貸し､店を立ち退くハメに
□ 岩手県遠野 … 7/29 リサイクルショップ河童（温水洋一･濱田マリ）
　ハッピーが尿道結石で緊急手術
　動物病院の手術費を払う金が無く､所持品全部を10万円!!で売っ払う
□ 青森県弘前 … 奥さんの実家を遠めに見守る
　父を亡くした奥さんは介護施設ふたば園で働き､
　中学時代グレていた娘ミクもどうにか立ち直ったようだ
　ねぷた祭では奥津＆有希が奥さん＆ミクと急接近

津軽海峡フェリーで本州から北海道に渡る
船中で盲目の振りをしたら､最期に罰があたった!?

□ 北海道石狩市 … 8/17 海辺のレストラン･マウニの丘 オーナー（三浦友和）
　奥津と有希はそこで知る...
　おとうさんとハッピーがデッキで夕陽が沈むまで眺めいた事
　有り金全部で食事代を支払いを済ませ､飼い犬を亡くしたオーナーに
　ハッピーを託そうとした事
　オーナーがおとうさんの死期を予期していた事
　三浦友和は儲け役ですねぇ｡出番は少ないが好印象を残します｡

そして､おとうさんとハッピーはキャンプ場の看板でカーブを切り
ガソリン･有り金も底をつき終着点に辿り着く｡
おとうさんの絶命場面では西田の過去の作品『植村直己物語』『天国の大罪』を
思い出しましたが､「三百六十五歩のマーチ」は要らなかったのでは...

奥津と有希は､おとうさんとハッピーの旅路と末路を知る事で
人生に対する向い方が変わったのでした｡