『春との旅』

春との旅
孫の失職を機に別居を決意する祖父
しかし、身を寄せる積りの姉弟たちにも
それぞれの事情があった...

個人評価:★★★ (3.0P)】 (自宅鑑賞)

原作:小林政広 『春との旅
祖父・中井忠男役の仲代達矢が鰊魚で生計を立ててきた偏屈な元漁師を
圧倒的な存在感で見せる。忠男は北海道増毛町で孫娘の春
(『ノーボーイズ,ノークライ』の徳永えり)と二人暮らし。
春は19歳、父と離婚した母が5年前に自殺し、
給食係を勤める学校が廃校となり失職。
脚の不自由な祖父との生計は成り立たず、
春は東京へ求職に出る為、忠男は居候させて貰う為、
忠男の姉弟宅を訪ねて回る旅に出る。

(1)次姉 金本恵子:菅井きん-夫 重男:大滝秀治
   秋から老人ホームへ
(2)末弟 中井幸男-他人の身代わりに服役 刑期8年
   内縁の妻 清水愛子:田中裕子 食堂営む 息子(19)東京
   隣人 木下:小林薫 元漁師
(3)大姉 市山茂子:淡島千景 旅館女将-春を後継にと申し出
   春は忠男との生活を選ぶ
(4)弟 中井道男:柄本明-不動産業失敗
   妻 明子:美保純 犬猿の仲だがホテルのスィートを取る
(5)春の実父 津田真一:香川照之-妻の浮気が許せず離婚
   再婚相手 伸子:戸田菜穂 左耳聞こえず

「過ちって償えないものなの、
 人って自分の事しか考えられないものなの」


母子家庭で育った伸子が忠男を父と慕い、同居を申し出る件は唐突過ぎた。
祖父と孫娘二人で暮らすと決めた帰途の列車内で忠男が亡くなるなんて
哀し過ぎませんか...

春の蟹股歩きが気になりましたが、大先輩に囲まれて徳永えりは頑張りました。
前半はギコチなかったが、後半は春の生き方を自然に見せてくれました。
祖父・忠男のシーンで印象的だったのは、学会で宿が取れず、
路上で死にたいと駄々を捏ねる場面。『星守る犬』の西田敏行が放置車両の中で
寂しく息を引き取る場面同様、老いの悲しさを見事に体現していました。

小林政広監督はずっと若い方かなと思っていたのですが、
老いを扱った作品を実にリアルに描かれるので年齢をググってみたら今年57歳でした。
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最終更新日時: 2018年07月22日(日)00:07:40
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Comment 1

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Hiro  

>KLYさん

TB有難うございました。
>本作を過去5本の指に入る脚本だと絶賛したという仲代達矢
世代の異なる登場人物各人の心情を的確に捉えており、
絶品でした。

2011/06/23 (Thu) 23:52

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  • 春との旅(ティーチ・イン付)
  • 『白夜』、『ワカラナイ』の小林政広監督が自身で綴った原作を映画化。足の悪い元漁師の祖父と孫娘が疎遠となっていた祖父の兄弟を訪ね歩く旅を描いた人間ドラマだ。主演は、本作を過去5本の指に入る脚本だと絶賛したという仲代達也と『アキレスと亀』の徳永えり。共演に...
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