『悪人』

悪人
解体屋の青年が出会い系サイトで知り合った
女性を衝動的に殺してしまう...

個人評価:★★★★☆ (4.5P)】 (自宅鑑賞)

原作:吉田修一 『悪人
さすが日本アカデミー各賞(作品・監督賞が獲れなかったのが不思議)他
多数の賞を受賞したのも頷ける出来栄え。

原作は吉田修一(脚本も担当) これまで見た作品とは大いに違った。
 □ 『7月24日通りのクリスマス
 □ 『女たちは二度遊ぶ
 □ 『パレード
李相日(イ・サンイル)監督も前作『フラガール』とは全然違う作品だ。
人間の怒りや憎しみ、嫉妬、恐怖など生理的な感情を実に上手く表現している。
久石譲の繰り返し挿入される音楽も緊張感を高め効果的だ。

加害者とその家族,被害者と遺族、登場人物それぞれに見せ場を用意
□ 加害者側(長崎)
清水祐一(妻夫木聡) 解体屋
 祖母 房枝(樹木希林) 漢方薬売り(松尾スズキ)に返金迫る
 祖父(井川比佐志)寝たきり
 母 依子(余貴美子)祐一を灯台に置き去りにした過去
 叔父 憲夫(光石研)解体屋経営
□ 被害者側(福岡)
石橋佳乃(満島ひかり) 保険勧誘員
 父(柄本明)理容店店主 増尾(岡田将生)湯布院の旅館息子をスパナで襲う
 母(宮崎美子)
□ ちょい出
 バス運転手(モロ師岡)乗降の房枝を激励
 タクシー運転手(でんでん)乗客 光代(深津絵里)に世間の見方を語る
 刑事(塩見三省 池内万作)

本当の”悪人” は...
  世間的には人を殺した祐一だが、彼を暴行犯と訴えると叫ぶ佳乃や
  彼女を足蹴にし車から放り出した増尾こそ、人非人ではないだろうか

佳乃の父 柄本明のセリフ が心に沁みる

「あんた、大切な人はおるね?その人の幸せな様子を思うだけで、
 自分まで嬉しくなってくるような人たい。

 おらん人間が多過ぎるよ。

 今の世の中、大切な人もおらん人間が多過ぎったい。大切な人がおらん人間は、
 何でも出来ると思い込む。自分には失うもんが無かっち、それで自分が強うなった気になっとる。

 失うものも無ければ欲しいものも無い。だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思い込んで、
 失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。

 そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ。」


もし、祐一が自首していたら...
  警察署の前で光代が引き止めなかったら、絞殺で遺体を崖下に遺棄した犯行だけ見ると
  極悪だが、出会いサイトで出会っていた事、佳乃のそれまでの言動、
  母に捨てられた過去などの生活環境、自首した事への情状酌量などからして
  極刑はなかったと思う。

光代役の深津絵里 これまでにない体当たり演技
  妹(山田キヌヲ)にまで軽んじられている孤独な紳士服店員役で上映開始後約30分後に登場
  海外でも第34回モントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞
  彼女は日本人には珍しくホリー・ハンターやイザベル・ユペールに似た雰囲気があると思う。

祐一&光代の 終着点となった灯台長崎県五島市の大瀬崎灯台



映画のラストシーンさながら、夕陽の沈む様は絶景のようです。
灯台横の小屋は映画用のセットで現在はないそうです。
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最終更新日時: 2018年07月14日(土)09:38:07
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Comment 1

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Hiro  

『怒り』(H28.9.17.公開)

監督・脚本:李相日 ✖ 原作:吉田修一
『悪人』から6年 音楽:坂本龍一参加

原作者の要望
「物語の登場人物には、映画『オーシャンズ11』のような
 オールスターキャストを配して欲しい。」

豪華スター共演実現
千葉 ・・・ 渡辺謙 宮﨑あおい(7kg増量) 松山ケンイチ
東京 ・・・ 妻夫木聡 綾野剛
沖縄 ・・・ 森山未來 広瀬すず

感想:http://iwa40.blog6.fc2.com/blog-entry-5657.html

2016/09/13 (Tue) 22:09

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