『狼たちの報酬』

邦題からバリバリのギャング映画かと思ったらかなり違った｡
４編のオムニバスに豪華キャストが『レザボア・ドッグス』風に本名を明かさす登場
エピソードがパラレルに相互リンクする｡

（１）Happiness（幸福）
　銀行員（フォレスト･ウィテカー）は競馬の八百長レース情報を聞き込み便乗
　賭けた馬バタフライがコケ大損し､フィンガーズ（アンディ･ガルシア）に借金
　監視役（ブレンダン･フレイザー）に銃を渡され銀行強盗を決行
　逃走中に歌手トリスタ（サラ･ミシェル･ゲラー）の車にブツかるが､その後も
　郵便のバイクを奪い逃走を続け､遂にビルの屋上に追い込まれ､
　奪った金の入ったバックを放り投げ､警官隊の銃撃を受け絶命する｡

（２）Pleasure（喜び）
　フィンガーズの部下（ブレンダン･フレイザー）は､近い未来が断片的に見える｡


（３）Sorrow（悲哀）
　人気上昇中の歌手トリスタ（サラ･ミシェル･ゲラー）は３度も
　インタビューを受けながも名前も知らない嫌味なインタビュアーから
　特異な資格を問われ､「血液型が Kp-AB型」であると応えた｡

　インタビュー後､マネージャーのフランクは借金の返済の為
　彼女のマネージメントをフィンガーズに譲渡｡
　ボディガードのダニーもフィンガーズの言いなりで
　付き人アリソン（セシリア･スアレス）にも八つ当たり｡

　フィンガーズの部下（ブレンダン･フレイザー）が自宅に匿ってくれるが
　３週間経ち､愈々二人で逃げるという時､彼女が不用意に電話を取った事で
　居場所がバレ､急襲され彼は殺されてしまう｡

　アリソンが脱出の手配をしてくれるが､
　たまたまこのインタビューをＴＶで聞いた医師（ケヴィン･ベーコン）が
　ジーナ（ジュリー･デルピー）の輸血の為､彼女を訪ねて来たのと鉢合わせ
　転倒し入院､妊娠３週間と判る｡

（４）Love（愛情）
　医師（ケヴィン･ベーコン）は親友ヘンリーの妻となった
　ジーナ（ジュリー･デルピー）を学生時代から愛し続けている｡
　毒物研究室でジーナが毒蛇に噛まれ､彼が治療にあたるが
　彼女の血液型が特殊で輸血する血液が見付からない｡
　もう手の打ち様がないと諦めかけていた時､
　ＴＶからトリスタのインタビューが流れてきた｡
　ジーナとトリスタの血液型が一緒だったのだ！

　医師はトリスタの元に急ぐ｡その時トリスタはアリソンの手引きで
　フィンガーズの監視役を撒き､逃げ出す処だった...

　何とかジーナの輸血は間に合うが､トリスタの元には
　フィンガーズが向っていた｡医師は彼女に車を提供｡
　病室に着いたフィガーズは病床に彼女がいないのに地団駄

　医師の車に乗ったトリスタの前に銀行強盗し逃走中の男
　（フォレスト･ウィテカー）が飛び出して来る｡
　動転して動かずにいる彼女の車に男が放り投げた現金入りのカバンが...

　天はまだ彼女を見放していなかった｡亡くなった彼が見守ってくれていたのか｡
　そこには颯爽と空港を歩く彼女の姿があった｡